私たちについて

賀澤 志帆

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私は、福島県いわき市にある四倉（よつくら）という海沿いの町で生まれ育ちました。家紋は抱き稲穂。田んぼと畑があるのは当たり前だと思っていた幼少期。現在は八王子で暮らしながら定期的に地元に帰省しては、もっぱら例大祭や新嘗祭などの地区の神社の行事に携わったり、実家の猫（3匹います）と遊んだりしています。

大浦小学校から四倉中学校へ、そして磐城桜が丘高等学校へ進学した後、日本工学院八王子専門学校 コンサート・イベント科に入学します。初めての一人暮らしは子安のアパート。これが、今日まで続く八王子とのご縁の始まりでした。

学生時代は煙草屋でアルバイトをしながら（映画「スモーク」に憧れて）、学業もそこそこにライブハウスに出入り。バイト先の先輩がバンドのボーカルをしているということで、誘われるがままにそのバンドのスタッフに。八王子を拠点に活動する様々なバンドやアーティストとの出会いは、田舎から出てきた18歳には大変刺激的で、本当に、キラキラと輝くような毎日を過ごしました。

卒業後は堀之内に拠点を移し、長らく美術商の仕事をしていました。そんな最中に起こった東日本大震災が、私の人生を大きく変えることになります。当時、故郷であるいわきも、地震、津波に加え原発による風評被害で大きく傷ついていました。

「故郷のために、私に出来ることはなんだろうか」

日に日に強くなる故郷への想いから、私は働き方を変え、毎月10日程の長期休暇を取ってはいわきに帰る生活を始めました。

そんな中、ひょんなことからいわき市内にある古民家活用プロジェクトに参加することに。八王子の作家さんをお招きし、古民家でのギャラリー展、子ども向けのお絵かきワークショップ、そして近隣住民の皆さんと力を合わせて開催したコンサート。目的は「地域の活性化」。私はそこで「ひとの力でまちはもっと元気になる」ということを、身をもって知りました。

八王子といわきを行き来する生活を3年程続けた後、私は学生時代ぶりに中心市街地に戻りました。当時は、まちなかに友人や知人はほとんどいませんでした。「そのまちを知るには飲み屋から」。12年間、単身赴任で全国様々な地域を渡り歩いた父の言葉を思い出し、素直に実行。そうこうしているうちに顔なじみの方も増え始め「うちで働かない？」や「今度のイベント手伝ってよ」などのお声をかけて頂くようになりました。素晴らしい格言を与えてくれた父には感謝しかありません。

2017年には、初のイベント企画・運営の仕事の依頼が入ります。この依頼を機に、同年3月「Shiho Product（シホプロダクト）」を設立しました。

2018年1月には、事務所兼レンタルスペース「space ＆（スペースアンド）」をオープン。「space ＆（スペースアンド）」という名前には「あなた と 誰か がつながる場所」という想いを込めています。ひと と ひと、ひと と まち。誰かや何かの「と（＝＆）」であり続けることが、私の大切なミッションです。

そしてもう一つ。2017年5月から開催を続けている看板イベント「八王子一坪パンまつり」。こちらを継続していく中で見出した「小さくても"できる"」という理念。どんなに小さな灯（ともしび）でも、それは必ず誰かの希望になると信じています。その想いを胸に、私はこれからも仲間とともに歩みを進めていきます。